“ボーナスの分割払いが、2008年、2009年と続くと、例えば両年に2500万円ずつのボーナスを受け取ったトレーダーは、2009年には500万円のスライス3つ分で、総額5000万円の内の1500万円しか受け取れていないことになる。ちなみにまだ支払われていない分割払いされるボーナスは、その性質上、自らの意思で会社を辞めると消失する条件が設定されている。このトレーダーは、会社にいさえすれば残りの3500万円を自動的に受け取る権利を持っていることになる。実はこの仕組みが、ヘッドハンティング会社を窮地に陥れた。トレーダーはとにかく会社に残ろうとするし(未払いのボーナスを取り返さなければいけない)、このトレーダーを引き抜くには通常の条件にプラスして3500万円も余分に保証しなければいけないことになる。よって、外資系投資銀行間のジョブ・マーケットの流動性が著しく低下した。ヘッドハンターは、他社に移籍させると、基本給の3ヶ月分ほど(基本給が2000万円だと500万円)を抜く。1年で20人も動かせば1億円も売り上げができるので、バブルの頃はトレーダーより稼いでいるヘッドハンターはごろごろいた。こうしたヘッドハンターは、ボーナスの分割払いによって廃業に追い込まれていった。”
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